先斗町の景観整備に想う、デザイナーのコーディネート能力
井上です!
ヒゲのおじさんに話を聞きに行く。
先日、
ヒゲのおじさんとの出会い
神戸さんは同じ大学、同じ学科の先輩でアルバイト先も同じ。
僕の神戸さんの印象はアウトプットの多い人。
仕事といってもまちづくりは都市景観や環境という神戸さんにとっ
地域みんなで儲ける意識
さて、今回のミーティングの神戸さんの発言で面白かったのは、「
神戸さんといえば大学時代から海外に旅行や研修に行かれることが
景観を形作る要素は様々ですが、
先斗町まちづくり協議会でも同様の意識醸成を図ってきたのでしょう。
まちのあり方を住民が決める
ただ、主体性を持ってまちのあり方を考えられる住民のイメージは、京都では先斗町や三条商店街など、企業や飲食店などが街を構成しているエリアに限られるような印象もあります。
なかなか個人がまちに帰属するという意識は持ちにくいのが現実。昔は地域社会に帰属することで得られていた学びや遊び、憩い、そして地域社会の中で完結することもできていた仕事、こういったものが社会の変化によって、今は地域社会に属することなく手に入れることができます。「特色ある地域景観全体を形作ることで地域のブランド力を上げ、経済力を全体として高める」というような強いコンセプトがあれば良いのですが、それも無いのが実情では帰属意識は生まれない。
ですが、理想的には主体性のある住民自体がまちのあり方を協議した上で、ある一定のルールを設定し、行政がそのルールに強制力を持たせ、それに沿って住民の個人の権利を規定する、ルールに設定されていない事項は逐一住民が協議する、というあり方が理想なのだと思います。
先斗町はそれをやった。もちろん、上記の通りまちへの帰属意識を持たせやすい五花街の一つで京都らしい景観を持つ代表的な商業地区だということももちろんあるでしょう。ただ、看板、室外機への対応、そして無電柱化、石畳の復活と次々にまちのあり方を理想に近づけている先斗町さんの推進力はとても驚きではあります。そしてそこに神戸さんのコーディネーターとしての力が発揮されているのは言うまでもないでしょう。
巻き込む力
神戸さんは、景観をはじめ力強くまちづくりを行っている地域には行政や住民に全体と細部のデザインを調整することができる人が必ずいる、と言います。ただ、個人的に思うのはその方がある一定の強制力を持ってまちづくりを推し進めても結局住民の帰属意識が希薄になるだけですし、それではまちが全体として良くはならない。おそらくその方々がデザインだけでなく周囲の人々を巻き込んで自分たちにも考えさせるような力が大きかったというのはあるでしょう。
そう考えると、デザイナーが今後求められる能力っていうのは人との接点のコントロールを始め、物事を推し進める全体の調整能力のようなものが大きいのかもしれませんね。
市長選挙が開催されて、景観政策も大きく変わるかもしれませんね!今回の市長選挙も目が離せませんが、先斗町のまちづくりの今後にも目が離せません!